熱源(暖房)[快適リフォーム]

普通、熱源といったら、ストーブですが、熱源=暖房とは限らないのです。
冬季においては、窓からの日射熱も熱源になります。
次世代省エネ基準では、冬季間の日射熱をどう取り入れるかも考慮に入れています。

無償で手に入る熱源ですから、利用しない手はありません。それは、窓の配置や数・大きさ・サッシの種類・ガラスの種類などにより室内に入ってくる熱の量が変わってきます。この窓については別の機会(ページ)で説明するとして、ここでは暖房を考えてみましょう。

まず暖房は、使うエネルギーで分けられます。ガス・電気・灯油・木・木炭などが上げられますが、通常はこの中でも、ガス・灯油・電気ですよね。

ランニングコスト

ランニングコストは「灯油<ガス<電気」の順番になります。

安全性

安全性はというと電気と答えがちですが、近年ガスや灯油の燃焼装置の技術も発展してきて、不完全燃焼や異常燃焼・ガスの流量異常などを敏感に感知し、自動停止や復帰を行うようになってきています。また、室外に燃焼機を設置することで、さらに安全性も高くなっています。

一方の電気も漏電ブレーカーの改良や電線やコネクターの改良により安全性も増しています。つまり、3者とも安全性については甲乙つけがたい状態です。

しかし、暖房以外で考えると大きく違うのはキッチンのコンロです。火を使うか使わないかの違いがあります。電気のIHヒーターが近年普及してきています。

火が出ないので安全性は高いといえます。でも、問題は電気を非常に消費するのでランニングコストがかかるのと、契約アンペアが最低60アンペアないと使えず、電気の基本料金も高く、器具も高価という難点があります。

暖房では、最も多く使われている開放型ストーブ(昔からのストーブや屋外に排気しないファンヒーター)は一酸化炭素を大量に発生させ人体に害を与えます。ましてや高気密住宅やマンションでの使用は非常に危険です。
マンションは別名高気密無断熱住宅とも呼ばれ、非常に気密性が高いので、室内へ有毒ガスを排出する開放型のストーブを使用すると、小さな子供やお年寄り、また、気管支が弱い方(喘息の方・のどを痛めやすい方)には極悪な環境といえます。
家の中に見えないヘビースモーカーがいるのと同じです。

利便性

エネルギーの供給ルートを考えると、灯油が一番分が悪くなります。タンクを設置して不足のないように灯油を補充しなければならないからです。その点ガスや電気は切れることなく供給されるエネルギーです。

地球環境

地球環境の観点で考えてみると・・・

電気

原子力・火力・水力・風力などで発電されていますが、この中でウェイトの高い原子力は危険性が高く国民の反対も多いというのが問題で、放射能という取扱いを間違えるととんでもないものが必要とされています。
効率的には計り知れないものがあり、人類が作り出した最大のエネルギー源だということは確かです。
しかし、核の再処理問題や放射能漏れ事故などのことがあり、簡単には割り切れないところがあります。

先日女川原子力発電所の3号機の視察に行ってきたのですが、認識を新たにして参りました。
ジャンボジェットが突っ込んでもびくともしない壁に覆われ、震度8以上の地震がきても大丈夫な構造になっている建物でした。
安全性は、かつて事故のあったチェルノブイリとは比較のしようがありません。
問題は発電所の建物そのものではなく、使用済み核燃料の取り扱いです。
六ヶ所村へ移送して再利用をしようと計画されていますが、まだ正式には稼動してなく、保存されている状態です。
この話は長くなるのでこの辺で止めておきますが、どう考えても現代社会で電気のない生活は考えられず、現時点で原子力発電はもっとも有力な発電といえます。
将来的には燃料電池や水素電池が発達し、原子力に頼らない電力の普及に期待できるかもしれません。

灯油

灯油は燃焼すると一酸化炭素を大量に放出し、環境にはやさしくはありません。原材料の原油(化石燃料)はあと20年で枯渇するとも言われ将来に不安のある燃料ではあります。

ガス

ガスにはLPG(液化プロパンガス)とLNG(液化天然ガス)に大きく分かれ、近年都市ガスではLNGが全国でも多く使われるようになってきました。
旧来の都市ガスは燃焼カロリーが低く効率が悪かったものを、LNGにすることによりプロパンガス並の燃焼カロリーに引き上げ、更にLNGの地球上の埋蔵量に将来性があり、20年スパンの供給契約がされています。
つまり、供給に不安がないというわけです。また、ガスは燃焼すると完全燃焼に近くあまりガスは出ないので人体にも環境にもやさしいというわけです。
しかし、ここで良しとしたLNGは設備された都市部でしか使うことができず、誰もが手にすることはできません。

新エネルギー

新しい燃料としては日本近海の海底で産出される「メタンハイドレート」という全く新しい燃料が開発されます。埋蔵量は計り知れないというほどで、原油に代わるものとして期待されています。

さらに、最近発売された「自然冷媒CO2ヒートポンプ・エコキュート」という設備があります。
これは従来の割安な夜間電力と高効率なヒートポンプにより熱交換を行い、これまで考えられないほどの低コストでお湯が作れるというものです。
給湯器メーカーによると、通常¥10,000/月程の給湯に対しての電気料を払っていたご家庭が、なんと10分の1の¥1,000/月で済んでしまうということです。
でも設備が高価で、例えば、ガス給湯器が定価20万円とすると、エコキュートは70万円もしてしまいます。
長い目で考えると5年間で元は取るともいえますので、考え方一つかもしれません。また、発売が始まったばかりなので、これから安くなってくる可能性は大いにあります。

結論

結果なんのエネルギーがよいかというと、総合的に考えると都市部での暖房はLNGでしょうか。

LNGが使えない地域は、コストを考えて灯油となります。
私の考えでは電気は主な熱源には不向きかもしれません。
照明・家電品の電力・補助暖房(こたつ・電気ストーブ)には不可欠ですが、現在のエネルギーの中で最も蓄えにくいエネルギーだからです。
蓄熱式暖房機や貯湯式の温水システムもありますが、熱が切れてしまうと使い物にならず、反対に過剰な大きさにしてしまうとコストも過剰になるので、熱源には使いにくいものだと思います。
しかし、捨てがたい内容としては、深夜電力の契約をすると昼間とは比べ物にならない安価で電気を使うことが出来ます。

その理由は、昼間と夜間では需要のバランスが完璧に違っており、夜間は需要が少ないのです。
つまり、繁華街でネオンを煌々と照らしていても電力を無駄に使っているわけでなく、ゼロには出来ない電力の生産をある意味有効に利用してるともいえます。
となると、前出のエコキュートは良いかもしれません。

具体的な暖房機としては、高断熱高気密住宅であれば、温水ルームヒーターをお勧めします。
かつて「セントラルヒーター」として巨大なボイラーで温水を作り、各部屋へ供給していました。
今は燃焼効率が良いコンパクトな燃焼機によりローコストで安全な供給ができますし、高断熱高気密住宅では全室暖房は必要ないので昔ほど莫大な設備費がかからなくて済みます。
その住宅の熱性能(熱損失係数=Q値)により、必要な分だけの暖房をすればよいのです。過剰な暖房ほど無駄になります。
また、温水ルームヒーターは熱を運ぶのが温水ですから、温風は全くクリーンな風で健康に害を与えません。
また、通常のストーブを使った時のような湿気が出ませんから、結露の防止にもなります。
温水ルームヒーターには、ファンコンベクター・パネルの2種類があり部屋の用途により選ぶことができ、今販売されているものは各社取り外しのできるコンセント式ファンコンベクターを売り出していますので、使わない時ははずして物置にしまっておくことができます。

他には温水式に比べて安価で高カロリー出力の暖房機として、FFストーブがあります。
大きさも最近のものは非常に小さくなってきており、不要なときにはずしてしまうことはできませんが、インパクトのある温風と給排気を屋外でするので、健康を害さないクリーンな温風が得られます。
高気密住宅はもとより、そうでない住宅でも問題なく使用できます。

ノーリツ・松下電機・富士通ゼネラル・三菱電機などのメーカーから販売されています。プランニング・取り付け致しますのでお気軽にお問い合わせください。(宮城県内限定です)

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