通常どこの家でもお湯のポットはあると思いますが、どんなポットを使っていらっしゃいますか?20年位前は例外なく「魔法びん」と呼ばれた内側が硝子の上を押すとエア式ポンプでお湯が出てくるものを使われていたと思います。その後電動式でお湯が出るもの、更には電気でお湯を沸かして、時々沸騰させてくれたり、カルキを飛ばしてくれたりするもの。と、いろいろな機能がついたものが販売され、どこの家でも珍しくない一般的な家電品になっています。
さて、この電気ポットですが、かなり電気を食うのはご存知でしょうか?電気が入っていれば当然常に熱い状態を保ってくれますが、一旦電気を切ってしまうとあっという間にさめてしまいます。つまり、常に電気で加熱をしていてさめないようにしているわけで、本体には保温の機能があまりないわけです。これは、構造上断熱材をかませてしまうと、発熱体からの熱で性能が劣化するからです。ということは、電気ポットは保温ポットではない、ということになります。
ここで、省エネルギーを考えると、電気ポットは便利ではあるが、エネルギーを浪費するものだということがわかります。
では、どのようにすると、省エネになるかというと、実に簡単なことです。
昔のようにガスコンロにやかんをかけてお湯を沸かして、保温される「魔法びん」に入れなおす。少なくなってきたら、沸かして追加する。このようにしてお湯を利用すると、月間500円から1500円の電気代が浮いてきます。常に家にいて電気ポットを利用されている方や、夜通し通電されている方は更に電気代の差がでてきます。ガスコンロが使えない環境や事情があれば別ですが、「ピーピーケトル」のような沸いたら音が鳴るものなどを使用すると、消し忘れて危険ということも防げます。逆に電気ポットはというと、もし、故障した場合や通電したまま旅行に出かけてしまった場合などは、火災の原因にもなりかねません。温度センサーが故障した場合は、しょっちゅう沸騰作業を繰り返してかなり危険な状態になってしまいます。
さて、「魔法びん」はなぜお湯の温度がさめないのでしょう?
「魔法びん」の構造は、のぞいてみるとわかりますが内部が硝子のびんのようになっています。入口は上部の穴1つのみです。この穴をふたで塞いでしまうと気密性の非常に高い密閉状態になります。その外側には簡単なプラスチック系の断熱材を巻いてあります。ここでの「密閉状態」がキーワードです。気密性が高いとそれだけでも熱を逃がしにくいということになります。実際「魔法びん」の断熱材はそんなに厚いものではないのですから。
となると、住宅も気密性さえ高ければ断熱はしなくても良い?という考えも出てきますが、住宅の場合はそうはいきません。まずは容積が大きいので内部で対流が起こります。そうすると、壁や天井に温度のむらができます。床と天井の温度差が大きくなり、床上1メートル付近の温度を快適にするには、余分なエネルギーを使うことになります。ここで断熱材があると、温度むらが解消されます。高性能なほど解消されやすくなります。
また、住宅において完全な気密ではいけない最大の理由があります。それは人が生活するにおいて新鮮な空気が常に必要であり、密閉されていると酸素が欠乏し窒息してしまうのです。ここで換気計画が必要となるわけです。これを呼んでいて「あれっ?気密住宅って気密じゃないの?」とお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、実はそうなんです。「気密住宅」といっても換気システムを付けた状態では1時間当たり250m3を換気するように換気口が開けられており、実際は「気密」ではなく、正確には「気密性の高い」となります。
ということで、とっても省エネな「魔法びん」を見直してみませんか?
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